爆発現象の数値解析に向けた高次精度化手法の検証

TNT1kgが爆発した際の圧力分布

爆発とは,圧力の急激な発生または解放の結果として,ガスが激しく膨張する現象です.銅や石炭などの地下資源の開発,トンネルや運河の土木工事などに用いられてきました.しかし,ガス漏れによるガス爆発事故,食品工場での粉塵爆発など絶えず爆発による被害が発生しています.爆発が起きる確率を低くする努力は行われていますが,爆発事故を完全になくすことはできません.そのため,爆発被害を予測し対策を施すことが重要であり,爆発現象に関する知見が求められます.爆発が生じると,周りの気体が急激に膨張するため衝撃波が発生し,その衝撃波により周りの空気は急激に圧縮されます.その時の急激な圧力上昇が構造物や施設の被害についての目安になります.つまり,爆発が生じた際の圧力上昇を知ることができれば,被害の予測につなげることができます.

 

本研究では,数値解析を用いて急激な圧力上昇を精度良く解くために,数値計算手法並びに高次制度化手法の検証を行っています.


爆風の伝播並びに最大過圧履歴

数値解析の精度を高くする方法に高次精度化が挙げられます.右図は最大過圧履歴を示します.過圧とは大気圧からの圧力上昇です.1次精度では実験とのずれが明らかであるが,3次精度では実験値とほぼ一致していることが分かります.しかし,高次精度化に伴い数値振動が生じやすいため,振動を抑えながら高次精度化する必要があります.