高圧水素の漏洩拡散挙動
水素エネルギーが普及してきた昨今、高圧水素の貯蔵施設が市街地に存在しています。万が一水素貯蔵タンクが破損し、漏洩、着火に至った場合、深刻な被害が想定されるため、安全性評価のために現象を正確に把握することが求められます。
本研究では、化学反応を考慮した数値解析モデルを用い、水素ステーションを想定した高圧水素の漏洩拡散とその自着火挙動を解明することを目指しています。
高圧水素の自着火挙動
水素が高圧タンクから急激に噴射した場合に、空気中に衝撃波を形成し、空気と混合したガスが圧縮されて温度が上昇し自着火に至る可能性があります。右図に示したのは、上部が水素質量分率、下部が温度の分布です。水素の分布する箇所に局所的に高温部が存在しています。噴射圧力、噴射口直径が変化することで、衝撃波後方の高温部分の滞留時間が長くなり火炎が燃え広がる可能性があるとされています。