標準大気圧下における極超音速飛翔体の空力特性

地上環境下の極超音速飛翔体

極超音速流とは主流マッハ数が5倍以上の流れを指します。このような流れは宇宙からの再突入や軌道上付近のスペースデブリなどの限られた環境でのみ観測される現象でした。しかしながら現在、NASAやDLR等で地上環境で宇宙機を極超音速域まで加速させる新しい打ち上げ手法が提案されており注目集めています。

 

本研究では,地上環境下での極超音速流を再現できる二次元・三次元数値解析手法の構築を行い、地上環境における極超音速飛翔体周りでの現象を解明し、更に飛翔体の空力設計指針を提案することを目指しています。

大気の解離反応

極超音速流中では流体が非常に高い運動エネルギーを持つため、飛翔体周りで2000Kを超えるような高温領域が形成されます。このような温度域では大気自体が分子から原子となる解離反応を引き起こすため圧縮性反応流として取り扱う必要があります。上の図では飛翔体周りで生じる酸素原子のモル分率を示しています。